建物の外壁について①外壁断面を技術地層とみる
名古屋のN邸を通じていろいろと考えていますが、外壁の役目としては大きく3つあると思うんですね
1.熱や雨風を遮断するシェルターとしての機能・・・・すきま風をふせぐ、防水性と隠蔽性
2.上記を満たすために経年変化に耐える持続性・・・素材としての強度、硬さやしなやかさ
3.建物の品質を維持し意図を具体的に表現する表情としての機能・・・保護機能と表現力

1.だけであればひとまず水に強いものならなんだっていいわけです。被災地での緊急避難やダンボールハウスでみられるようなダンボール(断熱)+ブルーシート(防水)だってその機能は満たす。しかし、ブルーシートとダンボールでは数週間ごとに張り替える必要がありますね
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で2.の持続性ということになるとその目的とする持続期間ごとに素材特製が違ってきます。建築における一般的な素材は塗り物と張り物の大きくふたつに分けられます。
塗り物代表はモルタル(砂とセメントを混ぜて左官こてで塗る)、漆喰、土壁など
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張り物代表は金属板、板張り、新建材パネル、サイディングといったところでしょうか
ところが、これらは1.に相当するシートや紙(アスファルトを浸した紙や商品名タイベック)が張られていないとダメなんですね
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 写真は防水シート
では1.の防水機能をもったシートに塗り物や張り物があればいいのか?というとそれだけではまるで工事中のような建物で終わってしまいます。
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 写真はモルタル塗っただけ
それで仕上げとしてこれに何かを塗るか、張るか、という3.の話になってくるわけです。
つまり、家の外壁を詳しくみてみると1.→2.→3.と簡便な最低限の技術から複雑な素材にむかって、地層のように技術が堆積しているということです。坪100万円とかいった高級住宅の外壁もその一番下の層にはダンボールハウスへのビニール袋による防水処理とそう大して変わらない技術的レイヤーがあって、そのうえに塗るか張るかの掘っ立て小屋的な層がある。
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by arsnova-arch | 2009-05-17 17:03
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